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損害を与えた相手から高額請求 これってそもそも妥当なの?

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自動車保険や火災保険の特約として、「個人賠償責任補償特約」があります。この特約には、示談交渉サービスが付いているケースが多くみられます。被害者との交渉はとても気疲れするものですが、「個人賠償責任補償特約」に加入することで、第三者に間に入ってもらい、感情に左右されることなく交渉できるため、事故発生後の後処理がとても楽になります。

これから事例を見ながら、個人賠償責任特約の特徴を見ていきましょう。

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コラムサマリ

この記事は3分で読めます。

  • 自動車保険や火災保険にセットの個人賠償責任補償特約には示談交渉サービスが付いていることが多い
  • 示談交渉サービスは、被害者と交渉する手間、時間そして精神的な負担を減らす
  • 個人賠償責任補償特約の適用範囲は家族までと広範囲だが、補償の重複には注意

※ご契約にあたっては、必ず「重要事項説明書」をよくお読みください。ご不明な点等がある場合には、お問い合せください。
※取り扱い保険会社及び保険商品について、ご不明な点等がある場合には、お問い合せください。
※文中に記載の保険商品、サービスの名称及び内容は保険会社によって異なる場合がございます。

本文

自転車搭乗中のAさんが歩行者と接触 相手が大けが

自宅近くの道をAさんがいつもの通り、通勤のため自転車で駅に向かっていました。小雨が降り出したので、少し急ぎ、スピードを上げた時、傘を差したおばあさんがあまり周りを気にすることなく、車道に出てきました。とっさのことだったのでよけきれず、勢いよくぶつかってしまいました。すぐに救急車を呼び、病院に運ばれましたが、腕の骨折とわかりました。

2~3日後、被害者であるおばあさんのご主人から連絡がありました。ご主人は、高圧的な様子で、一方的に損害賠償の金額と慰謝料を請求してきました。

精神的にダメージを受けたことを友人に相談すると、知り合いに自動車保険の代理店を経営している人がいるので紹介するよ、といわれ、早速会って事故の様子を話しました。専門知識のある代理店経営者に話を聞いてもらったところ、現在加入している自動車保険をもう一度見直すとよいと言われました。

自動車保険を確認してみると、幸いにも「個人賠償責任補償特約」に加入していることが判明しました。この特約は、日常生活で起こりうるトラブルでも保険会社が窓口となり、示談交渉まで行うものです。保険会社が被害者に接触し、実際の損害査定額を算出します。

Aさん自身が、被害者やご主人に会うことなく、保険会社が交渉をしてくれました。その後数日たって、保険会社から交渉が終わったこと、当初相手側が請求してきた金額よりかなり低い金額で話がまとまったことを聞きました。

Aさんは、事故直後に慰謝料と入院費などかなり高額な金額を請求されました。過失割合でも、被害者と交渉がもつれていましたが、弁護士が仲裁に入ることで、最終的にお互いが納得できる過失割合に落ち着き、負担を抑えることができました。そのうえ、難しい相手と交渉する手間、時間そして精神的な負担を減らすことができたのが何よりの救いです。

Bさんのお子さんC君が自転車搭乗中、駐車中の車とぶつかり、車体をへこませた

会社員Bさんの小学生の息子さんC君が、友達と自転車で出かけている途中、路上に一時的に停止していた車とぶつかり、車の前方右側ドアがへこんでしまいました。たまたま停車中の車内に運転手がいたため、C君とともにBさんの自宅に来て、ぶつかったときの状況を説明しました。運転手は、あとで修理の見積もりを持ってくると言い残し、帰りました。

後日、運転手が修理の見積書を持ってきましたが、車の傷と修理金額が妥当なのか見当もつきませんでした。そこで、加入していた自動車保険を見直したところ、「個人賠償責任補償特約」を契約していることが分かったため、早速保険会社に連絡しました。

今回のケースでは、特約で補償されることがわかったので、保険会社に運転手の連絡先や見積書などを送り、示談交渉も一任しました。その後、保険会社から連絡で、運転手との示談がまとまり、特約の範囲内で補償手続きを行ったという連絡がありました。

個人賠償責任特約の範囲は広い

2つの例にとどまらず、「個人賠償責任補償特約」により補償される範囲はとても広範です。

植木鉢が塀から落ち、たまたま歩いていた通行人にあたってけがをさせた
ゴルフのプレー中に自分の打った球が、先行のグループに打ち込み、相手がけがをした
飼い犬が散歩中他人にかみついた
奥様がショッピング中、手に取った高額な食器を割ってしまった

上記のような、日常いつでも起きそうなアクシデントによる法律上の損害賠償責任を補償します。さらに、例でも説明した通り、多くの特約には示談交渉がついているので、交渉を代行してもらうことで精神的な負担をやわらげ、時間や手間を軽減してくれます。

また、「個人賠償責任補償特約」では、家族が遭遇したトラブルにも対応しています。補償の対象者は、

記名被保険者
その配偶者
同居の親族
別居中の未婚の子

などです。補償金額に限度額があるかについては、保険会社によって異なります。

個人賠償責任特約加入時には補償の重複に注意

たとえば、ご主人と奥様が別々の車を所有して、それぞれに「個人賠償責任補償特約」を契約した場合、補償が重複することがあります。補償とは、実損ベースであり、損害以上の保険金は支払われません。したがって、補償を厚くすることを目的に、2つの「個人賠償責任補償特約」に加入する必要はありません。

また、「個人賠償責任補償特約」は自動車保険だけにセットしているものではありません。団体総合生活保険、火災保険などにセットして契約することもできます。したがって、すべての保険を確認のうえ、加入の是非を判断すると良いでしょう。

 

この記事の執筆協力

執筆者名

中村 伸一 (株)マネーデザイン代表取締役

執筆者プロフィール

学習院大学卒業後、外資系会計事務所、銀行、証券会社を経て、2014年FP会社である株式会社マネーデザインを立ち上げ、代表取締役に就任。
フランスの経済学者、トマ・ピケティが「21世紀の資本」で述べている通り、金融リテラシーの向上が日本の経済発展につながるという信念のもと、お金に関する情報発信や講演活動を行う。特に50歳以上の層に対し、その人の持つ「人的資源」とファイナンシャル・プランニングを合わせた「リ・ライフデザイン」を提唱し、個人の住宅購入、生命保険、資産運用アドバイス、相続・事業承継、中小企業の財務相談、企業研修などを行っている。

㈱マネーデザイン

保有資格

ファイナンシャルプランナー(AFP)、宅地建物取引士、高齢者住まいアドバイザー、
証券外務員1種、生命保険シニアライフコンサルタント、変額保険販売資格、海外ロングステイアドバイザー、日商簿記検定2級

募集文書管理番号
FFFF-29A1-B20148-202103

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